フリーランスの父より息子におくる30通への手紙 第二通
新潟に帰りたい@出稼ぎブローガーです。
疲れやすいので、もう開き直って生きています。
第2通 フリーランスはやはり大変だが、今後はフリーランスと勤め人の境はなくなる
私もやはり一般的な親と同じであるが、安定した仕事についてほしいと思うことは否定できない。
しかし、これからは普通の勤め人との境はなくなっていくと思う。
私が大学を出るときはフリーランスは大企業を20年ほど勤務して、スキルと人脈を得てから独立して選ぶ道だった。ITもなかったし、アナログな時代だったし、情報は本、新聞などの一般メディアしかなかったから、仕事の実際の場面に身をおかなければ仕事の技術などが得られなかった。
だが普通に賞与もでたし、終身雇用制もまだ生きていた時代だった。
だが、バブルが崩壊してからは、そういう防波堤は音をたてて崩れおち、いわゆる「グローバル化」になった、ITのインフラも整ってから、なんとか仕事は一人でもできる局面になった。
だが、会社の組織も壊れやすくといういうか、組み替えやすく変貌することにより個人はより、市場の圧力をそのまま受けるようになったといえる時代になった。
私が最初に勤務した保険会社はなくなってしまったし、新潟で勤めたIT企業もいまはない。私はいやがおうでもフリーにならざると得ないわけだったが、現状の私の仕事は一般企業のSEと同じ机で働いているし、あまり違いがないともいえる。
社会保険だって、国民健康保険+基金、国民年金に私的年金で補えるし、退職金だって自営業者向けの積み立てもある、確定申告だって会計ソフトでなんとかなる。(もっとも事務処理は発生する。)かといって、この状態から脱却して会社にしたければすればいいし、社員を雇えるようにしたけでればすればいいし。すくなくとも仕事自体はフリーも勤め人もあまり変わらない。(ITっていうのもあるが)
研究職になる君は、メーカーで働くかもしれないが、働くということ自体は社員もフリーランスの人間も変わらないと思う。(まあ、特有なハードウェアもあるだろうから、フリーランスの人間はそういうハードウェアを扱える環境にいる必要があるが、それはおそらく変化するだろう)
市場の圧力は個人にそのまま降りかかるから、結果はいまよりは明らかに現れ、個人の成果もすぐ計られることになるだろう。そんなときストレスなくやっていくには、自分の好きな仕事、ストレスを感じない仕事をするべきだと思う。そこには組織ではなく個人の思惑しかなくなる時代になるだろう。君自身はどう思うか、個の力の時代になっていくだろう。
思考をそのように持ち、仕事もストレスなくフットワークよくやってほしい。
(了)
補足)
(本物の?) ビジネスマンの父より息子への30通の手紙 は以下の30通からなっている。
父から息子への愚痴?とも思える口調が、子供の結婚、自分の会社の継承を経てからはその口調は穏やかに、同じ山を目指す登山家のアドバイスというように変化する。
そして最後の30通は、「君に任せる」という、ようやく肩の荷をおろした父親の安堵感を垣間見ることができる。
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あえて挑戦を(第一通)
名門私立大学に合格したが気おくれし、やっていけるだろうかと迷っている君へ。
教育の設計(第二通)
いつ、何を、どう勉強すれば、充実するのか、将来に備えて。
成功について(第三通)
父親にはかなわない? いずれ父親を振り回すようになるのに。
惰性的な生き方には(第四通)
「ミソサザイの翼で鷲のように飛ぶ」ことはできない。下降する成績に歯止めを。
実社会での最初の日々(第五通)
いよいよ実業界に足を踏み入れたが、一抹の不安を感じないではいられない君に。
誠実さの代価(第六通)
ビジネスで最も重要なルールは君が真実を語らなかったと、決して人に言われないことだ。
「企業家」とは何か?(第七通)
冒険心と自信。危険への備えはどうするのか。
経験の重みに代えて(第八通)
新たに販売部長に就任した君。経験が基本条件の部署だが、しかし君にはそれがない。
部下との衝突(第九通)
衝突で何を得、何を失ったか。回避の道はなかったか。
共同事業への誘惑(第十通)
一攫千金のうまい話にさめた目、さめた手段を。
結婚を気軽に考えないで(第十一通)
結婚という投資による損益は大きい。よき妻の条件とは。
事業を拡大する上で重要なこと(第十二通)
事業を大幅に拡大するについて、二、三の大きな問題点を見落としていないか?
金銭感覚はどうなっているのか(第十三通)
高額の勘定書が会社に回されてくる。いささか不安を感じて一つ尋ねたい。
講演は自信を持って(第十四通)
母校の講演を引き受けたものの、大勢の前で話す場面を想像し愕然としている君に。
礼儀正しさにまさる攻撃力はない(第十五通)
仕事仲間に誇りをもって紹介できる社員とは、どんな人物なのか?
銀行融資をとりつけるには(第十六通)
実業家は銀行の有難味をよく忘れる。君も目的に夢中で、銀行を過小評価していないか?
政府の検査官について(第十七通)
恐れることはない。政府は私たちの事業を助けるためにあり、実際に助けてくれるはずだ。
多角経営は会社を安定させるか(第十八通)
会社は一つの分野だけの経営の方が強いのではないかと、多角化の根拠を尋ねる君へ。
読書の価値(第十九通)
「一冊の本しか読まない人に気をつけよう」これ以上付け加える必要があるだろうか。
効率的な管理とは何か?(第二十通)
それは部下とのチームワークである。が、活用されることの少ない方法の一つでもある。
人生の幸福とは(第二十一通)
「人生の『真』の幸福はどのようにして手に入れるのか?」と問いかける君に。
社員を解雇するとき(第二十二通)
気の重い神経の疲れる任務だが、それもまた、経営を向上させるうえでの大切な仕事だ。
友情は手入れしよう(第二十三通)
仕事では何人かの友人ができた。が、昔の友だちに会う機会がないと悩む君に。
批判は効果的に(第二十四通)
人はそれぞれ性格や性癖が違う。思慮深い批判を与える人は決してこの事実を忘れない。
自分の財布の管理も計画的に(第二十五通)
「予期せぬ請求書」のために、個人的な借金を申しこんできた君に、一言いう。
常に備えよ(第二十六通)
最近の経営不振から、会社は将来まで耐えぬけるだけの準備があるかと動揺している君へ。
ストレスと健康(第二十七通)
君に最も適した、くつろいだ状態になるために……
優れた指導者の条件(第二十八通)
業界団体の会長に推されたが、35歳ではその地位は務まらないと思っている君に。
生活のバランスを保とう(第二十九通)
社長に任命されて以来仕事に精勤する君に。仕事と同等に大切なものもあるのでは……
あとは君に任せる(第三十通)
君は後継者になった。もう君の仕事に口を出すつもりはない。私の人生を楽しむだけだ